回向返照

世のため、人のためになるような情報(山関係多め)を更新していくつもりです

シールを作る1

貼り付けシールが主流の今、秀岳荘のシール(取り付けシール)を使っているのは大学山岳部系やそのOBに限られるのではないだろうか。

私も取り付けシールユーザーの1人であるが、最近自分で作れるんじゃないかと思い始めた。

というわけで、来シーズンに向けて取り付けシールを作ってみようという計画を立てた。続くかはわからないが、とりあえずやってみよう。


シールを作るに当たり、そもそもなぜ今、貼り付けシールが主流なのか、つまり、取り付けシールが廃れてきているのか考えることにする。


パッと思いついた限りでは、

1.グルーが進化して何度もの取り外しが可能になったこと

2.カービングスキー が主流の今、ストレートにカットされた取り付けシールでは、あまり雪面に効かないこと

3.細い(60ミリと80ミリ)のモノしか売っていないので、太めの板に対応していないこと

4.生地のバリエーションが少ないこと

5.登高中やトラバース中にズレること

6.下駄になりやすいこと


まだまだありそうだが、作る気が失せてくるのでこの辺にしておこう。

1.についてはその通りであるかもしれないが、私は目の前でいくつもの貼り付けシールの糊面が雪まみれになり、ゴムバンドで板に固定されているのを見てきた。数回の取り外しなら耐えるかもしれないが、長い縦走のときや、グルートラブルが起きてはならない事態(爆風のときとか)には取り付けシールに軍配が上がるのではないだろうか。

2.についてはその通りなのかなあ。私が取り付けを使っている板はセンター88ミリの板だが、トップとテール、特にトップ側にはソールが剥き出しになっている部分が多い。

だが、事実として、硬い斜面や急登、トラバース以外で貼り付けに劣っていると思ったことはない。要はテクの問題なのではないだろうか。私の知っている取り付けユーザーはは貼り付けユーザーの急登に着いて行けているし、修業すればなんとでもなる気がする。ていうかシールがキッチリ効いてるのは力がよく伝わるセンター周辺だけで、トップとテール側に隙間があってもあんまり変わらないんじゃないだろか。

3.その通りです。私が自作しようとしたキッカケの一つです。私の88ミリくらいが限界の太さなんじゃないかと思う。

噂では秀岳荘工場の人と仲良くなれば、特注で太めのシールを作ってくれるとかくれないとか。あくまで噂です。

4.まあそうだが、あまり気にならない。

5.しょうがないと思う。上手い人はズレをコントロールしてトラバースできる。エッヂでシールを踏む感じでやるらしい。

6.休憩中に締め直しと下駄を直す作業すれば解決である。


結論として、良いとこ悪いとこあるが、私の使い方や道具の扱い方では取り付けの方が向いている。

個人的にトラディショナルな道具が好きということもあるが...


秀岳荘がもっとバリエーション多めにシールを作ってくれたら良いのになあ...